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Channel: Jazzと読書の日々
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プロンプトとはメタ会話のことである

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Copilotを組み込んでテキストの推敲をしていると、質問(プロンプト)によって回答が変わるのが面白いです。 アウトライナーで箇条書きして「記事にして」とか。 遊べる。

「プロンプト」そのものに興味が湧いてきました。

4つのポイント

参考になったのはGoogleのGemini活用ガイド。 Tipsとして4点を押さえています。

  • ペルソナ:どんな立場で書くか
  • タスク:何について書くか
  • コンテキスト:どんな理由で書くのか
  • フォーマット:どういう形式で書くか

自分の言葉で言い換えてみると以上のようになります。 この4点を押さえたプロンプトを作ると、望んだ回答が得られやすい。

執筆プロセス

これは執筆プロセスの思考ツールとして考えてきたことと重なります。 思考ツールというのは「what, why, how」の3つです。 思考にはこの三つの軸があり、それぞれの方向に展開していく。

これを上記の「プロンプト」と関連付けると下記のようになります。

  • what:それは何か。定義や明確化=タスク
  • why:なぜするのか。目的や理由=コンテキスト
  • how:どうするのか。手段や具体例=フォーマット

すると「ペルソナ」に当たる部分がなかったと気づきました。

  • who:誰が書くのか。役割や立場=ペルソナ

自己紹介にあたるかなあ、と思ったけど、いやいや:

  • whom:誰に向けて書くのか。想定される読者。=ペルソナの裏面

こっちですね。 ずっと「読者目線」と呼んできたところ。 それが「書くこと」にはついて回ります。

誰が読者なのか、という問いかけが「プロンプト」には隠れていて、そのために「ペルソナ」を設定しないと回答がズレてしまう。 そう考えるの筋だろうと思います。

メタ会話

すると「プロンプト」は、実際の生活で起こる「会話」の分析だと思いました。

日常会話ですよね。 普段何気なく行っている、人と人のおしゃべり。 「コミュニケーション」というやつです。

それが、たまにうまく行かなくなる。 こちらの想いが伝わらなかったり、相手の考えが読み取れなかったりする。 そうしたとき、会話の「内容」を考えるのではなく、「プロンプト」から見てみる。 そんなことができるんじゃないかと思いました。

メタレベルから「会話」を見る。 「メタ会話」なわけです。

そもそも、この会話において「ペルソナ」はどうなっているのか。 いま話しているのは「タスク」だろうか、「コンテキスト」だろうか。 具体例としての「フォーマット」が抜けてないか。 そうした観点から自分の「会話」を振り返ってみる。

「プロンプト」の4点に抜けがあったら、会話が成立しません。 たとえば「タスク」が明示されないままだと、どこにも辿り着かないでしょう。 瑣末な議論に深入りして、その沼から抜け出せない。 そんなときは「何の話をしていたか」に戻る必要があります。

とすると「プロンプト」は「会話」を深めるのに重要です。 生成AIだけの話じゃない。 日常の生活の態度になります。

「会話」を外から見て軌道修正をする。 そのとき「誰が・何を・なぜ・どのように」と押さえ直す。 そういう会話を心がけるようにする。 というか、そうなっていく。

まとめ

これは執筆プロセスのDESCと関係あるのだろうか。

「コンテキスト」に「客観的な事実(D)」と「主観的な感想(E)」の両方が入っている印象がします。 話の前提部分だから。

「タスク」が「具体的な提案(S)」ですね。 というか、生成AIに答えてほしいのがこの「S」のところ。 そのために質問をしている。

そうか、「プロンプト」は必要条件であって十分条件ではない。 執筆プロセスは「回答」も含んでいます。 「プロンプト→回答」で展開するんだから当然か。


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