「書くこと」は、①アイデアを出す段階→②作品に仕上げる段階→③読者目線で読む段階→④次のアイデアを温める段階に分かれます。 もし生成AIを使うとすれば、それぞれの段階での活用法があるはずですね。
執筆プロセスを上の図のように考えてみました。
①アイデアを出す段階
生成AIをアイデア出しに使う。 そうした具体例がネット上でちょっと見当たりません。
アイデアはもともと持っているものではなく、ふと閃くものだからなあ。 そうした立場から考えると、そこに生成AIを絡めるのは難しい。 まず日頃から、思いついたものをメモする習慣(エートス)をつけておくこと。 そこがポイントですね。
これは紙のノートでもいい。 そのアイデアをアウトライナーに書き写す。 そこがまず「アイデア段階」の準備作業になります。
この段階での生成AIは難しいかな。
②作品に仕上げる段階
生成AIが使われるとすればこの段階か。 箇条書きのアウトラインを貼り付けて「記事」の形式に落とし込む。
これには前回のzenshu.mdが使えそうです。 全文に対して「ブログの記事にしてください」と頼んでみる。 すると「アイデア出しに生成AIは使いにくいという、あなたの指摘は正しいです」とか回答が返ってきて、おいおい、使えない。
もうちょっとプロンプトを厳密にするか。 「この草稿をもとに、ですます調の記事に書き直してください」としてみたら、こちらはいい感じになりました。 段階ごとに見出しがついて、要点も並ぶ。 記事にする外枠ができました。
何ごとも「頼み方次第」。 人間関係と同じだな。
③読者目線で読む段階
作品を作るまでは独りよがりな作業なので、そこは「他人ごと」のように読み直してみる。 推敲の段階に入ります。
ここでも生成AIは使えそう。 「この文章を読んで、足りない点を教えてください」。
ああ、このプロンプトだと、全文書き換えられちゃいますね。
でもまあ、それはそれ undo
で戻ればいいだけです。
指摘を別名で保存しておきましょう。
(Commanderプラグインで、File Menu に「Duplicate current file」を追加しておくと「別名で保存」が簡単にできます。 複製してから質問する。 おすすめ)
こうした問題点の洗い出しは生成AIの得意なところ。 「書くことの定義がされてない」と本質なところ突いてきました。 やるな、おぬし。
独りで書いていると見落としも起こるし、ここは生成AIに「他者」になってもらう。 ただプロンプトには「やさしい気持ちで」とか付け足した方がいいかも。
④アイデアを温める段階
下書きを寝かせておくことだから、何もしない。
何もしないと言っても、指摘を受けた段階で「あ!」と思っています。 その、まだ言葉にならない「あ!」を抱えながら日々の生活を送る。
すると「偶然」がやってきます。 偶然その謎に関連するような出来事と遭遇し「あれはこれか」のアレゴリーが起こる。 それが新しいアイデアになり、アウトライナーに書き留められる。
実は最近、アウトライナーじゃなく、ObsidianのThinoにメモするようにしています。 時系列で閲覧しやすいし、検索で絞り込めたりする。 デイリーノートの使い方が「ネタ帳」になっています。
この段階で生成AIは使いませんね。 真面目にちゃんと生きることがポイントです。 「偶然」は必ず起こるから、そこを逃さない。
まとめ
この基本図式はラカンの「シェマL」を読み替えました。
斎藤先生が「ラカンにプロセス論はない」と書いてて「いやいや、シェマLがあるでしょ?」と思ったので「書くこと」に応用してみた。 ほら、プロセスでしょ?